U-29という番組をご存知でしょうか?
29歳以下の若者たちの働きぶりに密着する番組なんですが、久々に観たら漫画家志望の人たちを取り上げていたんですよね。
その人たちの暮らしぶりっていうのがおもしろくて、なんと山奥で共同生活を送りながらマンガ家を目指しているっていうことだったんです。
その名も「まんが村」
今回はこのまんが村で生活する漫画志望の人たちの生活や取り組みからこれは面白いと思った事や、学べることを中心に書いてみようと思います♪
現代のトキワ荘は山奥にあった!!
そもそも、トキワ荘っていうのが何なのかを知らない人のために簡単な説明を。
トキワ荘っていうのは漫画の神様手塚治虫を始め、藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫といったそうそうたる漫画家たちが過ごしたアパートのことです。(アパートは既に解体)
まんが村も漫画家志望の一つ屋根の下でマンガ家の卵たちが生活をするということで、トキワ荘と共通する部分はありますね。
このまんが村の場所っていうのが山口県周南市の大通地区で、住民の半数以上がお年寄りのようです。こういうところは、やはり若い人は大きな町や都会に出ていってしまうのかなぁ。
漫画家志望の若者たちが住んでいる家は元々は空き家で築100年以上の古い建物。床板がぼこぼことへこんだりしていて、見るからに古民家という感じですが生活をするぶんには問題なさそう。
生活コストがめちゃめちゃ低いのが素晴らしい !
僕がこのまんが村の取り組みで素晴らしいなと思ったのは「まんがに集中できる環境が整っている」ということなんですよね。
ほらっ、漫画家デビューを狙う人って基本的には貧乏な人が多いじゃないですか?なので、生活するためにアルバイトなりなんなりして生活費を稼がなきゃいけなくなります。すると、そのぶん漫画に取り組む時間が減ってしまうんですよ。
でも、このまんが村での生活はメチャメチャ生活費が安くすみます。
まず、食事について。
食事はご近所さんから毎日のように野菜とか果物の差し入れなんかが届きます。僕が番組を見た時は普通にスイカの差し入れがありました。貧乏生活してたらスイカなんて食べれませんよね(*_*;
そんな風にご近所さんからのおすそ分けで材料はまかなえてしまう。なんと彼らの一食にかかるお金は平均なんと15円!!
15円ですよ!!3食で45円‥‥‥。ビビるぐらいに安すぎて番組見ながら思わず「えっ?安!!」ってつぶやいてしまいました(笑)
他にも家賃光熱費が月1万円、携帯、ネット、タブレット通信費が月4千円で食費も合わせると月に合計1万5千円もあれば生活の心配せずに生きていけるわけです。 破格の安さ!!
「えっ?でもまんが村の漫画家の卵って稼いでないんでしょ?お金どうしてるの?」って思う方もいるかもしれません。実は全く働いていないわけではなく、週に数回は農作業をしたり、地域の行事を手伝ったりしてお金をもらっているんですね。
この時にもらえるお金が多くて月2万円ぐらいにはなるということで、このまんが村で生活するなら十分。
そんで、このまんが村をつくろうと思ったのが、漫画家の樹本ふみきよさんという方。この方はまんが村の若者たちが卒業した専門学校の講師をしていた方なんだそう。
樹本さん曰く「才能のある若者たちが生活の心配をせず漫画に集中できるように」ということでこのまんが村をつくったんだそうです。
つまりこのまんが村にすめばお金がかからない→お金がかからないから稼ぐためのアルバイトが少なくて済む→そのぶん漫画に集中できる時間が増えるという環境を整えたわけですね。
いやぁ、すげぇいい試みだと思います。ほらっ、漫画家とかクリエイティブな仕事をしたい人にとって「生活費を稼がなきゃいけない」っていうのはネックになるじゃないですか?
モノを作りたいけど、でも食べてもいかなきゃいけないっていうのは切実な悩みだと思うんですよね。そんで、人によっては食べられないからという理由で別の道を選ばざるを得ない人も出てくるわけです。
でも、このまんが村にいれば少なくとも「食べられないから漫画家への道を諦める」っていうことはしなくて済むわけです。もちろん、皆が皆デビューできるかどうか、漫画家として食っていけるかどうかはまた別の話。
でも本人の納得のいくまで集中して漫画家を目指せる環境があるっていうのは本当にいいことだと思いました。
メンバーの中にはデビューをした人も!!
まんが村に住む漫画家の卵たちは多くが何らかの賞を受賞している優秀な人たち。そんで、ついに住人の中から漫画家としてデビューを果たした人も出てきました。
まんが村のメンバーの一人である矢尾さんの作品。まんが村での生活を書いたエッセイ漫画だそうです。メンバー視点のまんが村の様子なんかが描かれているようなので、「まんが村って実際にはどんなところなんだろう?」っていうことを知りたい人は読んでみるといいかも。僕も読んでみたい。
こんな感じで実際にデビューをする人が出てくると、他の住人の人たちにもいい刺激になりますよね。
「あっ、本当にデビューできるんだ。自分も頑張ろう!!」って気持ちになる。そうやってお互い切磋琢磨する環境があるっていうのは素晴らしいですね。モチベーションの部分においてもかなりいい環境なんじゃないだろうか?もちろん、先にデビューされたっていうことで、焦りみたいなものも出てくるだろうけど‥‥‥。
お金がなくても生きていける環境を整えればやりたいことができる!!
このまんが村の環境って別に漫画に限らず「何かやりたいことがあるんだけど、お金がないからできそうにない」って思っている人にはとても参考になるものだと思うんですよ。
日本は地域の過疎化が進んで、ほぼ若者がいなかったり、人がいない限界集落みたいなところもある。当然空き家も増える一方なわけだから、そこに貧乏だけど夢があったり、やりたいことがある人なんかが移住するのはアリなんじゃないでしょうか?
こういう過疎地域に移住するメリットをまとめてみました。
- お年寄りばかりの村に若者が住むことで歓迎される(若いだけでありがたい)
- 元々空き家のところが多いので、家賃はめちゃめちゃ安くて済む
- 農家が多いので、食べ物のおすそ分けが大量にもらえるため食費も安く済む
- 共同で生活すれば光熱費などもかなり抑えられる
- 生活費が抑えられれば、そのぶん働かなくて済むから自分のやりたいことに集中できる
- ネット環境さえ整っていれば買い物もできるし、自分の作ったモノを誰かに届けてもらうことも可能。
こんなところでしょうか?やっぱ生活費がメチャメチャ安いっていうのはでかいですよね。
今の時代はネット環境をはじめその他のインフラが整っているため、どこでも自分の作品は発表できるようになりましたからね。漫画だってどこからでも賞に応募することができるし、ネット上に自分の作品をアップして人気に火がついて単行本を出している人だっているわけです。
なのでもし仮に「自分はお金がないから」っていう理由で自分のやりたいことを諦めている人がいるのだとしたら、まんが村の事例を参考にしてみましょう。
生活費を抑えまくってそのぶん自分のやりたいことに集中できる環境を整える。これをやれば、もっと多くの人が生活を気にせず、やりたいことをやれるのではないかと思っています。
まとめ
そんなわけで、今回はテレビで放送されていたまんが村の取り組みについて、自分の思ったことをあれこれ書いてみました。
まんが村は共同生活が苦じゃない人、ひたすら自分のやりたいことを追求したい人にとって一つのモデルとなると思います。
ぜひ、この取り組みが成功して一人でも多くの人が漫画家としてデビューをしてその後も活躍できたら素晴らしいですね。今後もまんが村に注目していきたいと思います♪
それでは今回はこの辺で失礼します!