ここ最近は自分が生まれる前の映画をけっこう観るようになりました。今の俳優さんもかっこいいけど、昔の俳優さんもメチャカッコいいんですよね。存在感とかたたずまいが、素人の僕でも「はぁ、この人かっこえぇわ。」って普通につぶやいてしまうほど。
今回僕が見た『ビッグ・ガン』という作品には名優アラン・ドロンが出ていたんですが、彼もすんごいかっこいいです。
この映画でアラン・ドロンはマフィアの殺し屋を演じています。
冷静に銃で標的を殺し、サッと現場から離れる。その職人とも言えるような一連の動作、そしてアラン・ドロンという俳優の見た目の良さも相まって、殺し屋なんだけど、「超カッコいいわぁ」って思わされてしまう。
美しい瞳に整った顔立ち、ああ、いいなぁ、こういう感じで生まれたかったとちょっとだけ嫉妬してしまいます(笑)
ただ、このドロンが演じる殺し屋トニーは単なる冷酷無比なだけではありません。淡々と人を殺す一方で家族をものすごく愛していて、特に息子カルロのことは溺愛しています。冷静に人を殺した後、家族思いのパパに変身する殺し屋の二面性を演じるドロンはすげぇなって思いましたね。実際の殺し屋の中にもこういう人いるんだろうか?
そんでトニーははカルロを思って殺し屋をやめようと考えるわけです。父親が殺し屋であることが息子にい影響を与えるはずがないですからね。だけどマフィアていうのは脱退とか裏切りを許しません。トニーも信頼のおかれる殺し屋でしたが、組織を抜けるとなると話は別。容赦なく命を狙われることになります。
ところがこの時犠牲になったのは、トニーの愛する妻と息子。トニーを狙ったはずなのに家族が巻き込まれてしまうんですね。ここから殺し屋トニーの復讐劇が始まります。標的は自分の家族を殺した巨大なマフィア組織の幹部たち。
復讐を誓う優秀な殺し屋と巨大な犯罪組織という構図はありがちではありますが、僕は飽きずに見ることが出来ました。
まぁ、標的のマフィアのボスたちのガードが甘すぎるんじゃないか?と思うところもありましたけどね。いやっ、あんたら常に命を狙われる立場の人間やん?もうちょい、護衛増やしてガード固めんととツッコミを入れていたら案の定トニーが来て‥‥‥。
まぁ、ただ時代が違うのでもしかしたら当時マフィアの幹部を狙う人間なんて滅多にいなくてだからこそガードが甘かったのかなぁなんて想像したり。ただ、トニーの腕を考えるとちょっとガードを固めても結局目的を抹殺しちゃうんだろうなぁなんて思ったり。この辺りを想像しながら見るのも面白かったです。
またこの映画は殺し殺される、終わりが見えない暴力の連鎖を良く表している映画でもあります。トニーは家族思いではありますが、その一方でバンバン人を殺してきた殺し屋で立派な犯罪者です。それもそんじょそこらの犯罪者ではありません。
そんな血なまぐさい世界で生きてきた人間が「もうこの仕事をやめます。」といってすぐに抜けられるような甘い世界でないということです。もうガッチリその中にどっぷりつかってしまっているわけですよ。だからこそ、命を狙われるし、家族を失うという大きな痛手を負うわけです。
さらにそのことを特に感じたのがラストシーン。ここはオチになっちゃうので言いませんが、決してハッピーエンドでは終わりません。
「うわぁ、この終わり方かぁ‥‥‥」ってなるんだけど、一方で「現実はこうだよなぁ‥‥‥。」と納得させられてしまうそんなラストになっています。
全体的に地味な映画ではあるけど、アラン・ドロンという名優の存在、そして劇中に流れるロマンティックな音楽や、時代を感じさせる街並みなど楽しめる要素がとても多い作品だと思います。
まぁ、とにもかくにもアラン・ドロンかっこいいので、今まで彼の作品を見たことがない人はぜひこの『ビッグ・ガン』という作品を見て見てください♪きっと彼のファンになるはずです♪
それでは今回はこの辺で失礼します!