偶然の出会いっていいよね。ということで、今回は我が家のブルーレイでたまたま録画していた、トム・ハンクス主演の『ビッグ』という映画が、個人的にとても面白かったので紹介します♪
※ネタバレありなのでご了承ください
ビッグのあらすじ、感想
あらすじ
主人公はジョッシュという12歳の少年です。ジョッシュは地元にやってきた移動遊園地で女の子と一緒にジェットコースターに乗ろうとするも、背が低かったため乗るのを断られてしまいます。
当然ジョッシュは落ち込みます。そんな彼が見つけたのは、ゾルダーというコインゲームでした。ゾルダーは願いをかなえるという不思議なゲーム。ジョッシュはさっそく「大きくなりたい」という願います。そして家に帰宅しその日は眠りにつきます。
そして、翌朝。目が覚めたジョッシュに驚きの出来事が!!なんと彼は本当に大きくなっていたのです。背もグーンと伸び顔もすっかり大人の顔に。あまりの変化にジョッシュは、実の母親から他人と勘違いされ、なんと家を追い出されてしまうのです。
実の家族にもわかってもらえない。そんなジョッシュが頼ったのは、親友のビリーでした。ビリーになんとか自分がジョッシュであることを分かってもらい、二人はゾルダーのゲームを探しにニューヨークへと向かいます。
とはいえ、すぐに見つかるわけもなく実家に帰ることもできないジョッシュは、大人として生活することになり、安いホテルを寝床にします。そして、履歴書と面接をうまくごまかしどうにかおもちゃ会社に就職します(ちょっとあり得ないとは思ったけど‥‥‥。)
ここからジョッシュは12歳の少年の心を持ちながら、大人の男として生活をすることになるわけです。はたしてジョッシュを大人にしたゲームゾルダーは見つかるのか、ジョッシュは大人の世界でやっていけるのでしょうか?
子供目線でも大人目線でも楽しめる作品
この作品、どういう作品かなぁって考えた時に、「大人も子供もどっちの目線でも楽しめる作品だな」というのが一番最初に頭に浮かびました。
主人公のジョッシュがおもちゃ会社に就職したというのは、前述したとおりです。で、最初彼は下っ端なんだけど、とある出来事によってなんとすぐにおもちゃ会社の製品開発の副社長に抜擢されます。で、その理由がなぜかというと
「大人にもかかわらず子供のようにおもちゃを楽しめる人だったから」なんです。まぁ、実際には中身は12歳の少年なので当たり前っちゃ当たり前なのですが、見た目は大人頭脳は子供という、コナン君とは真逆の状態のジョッシュはおもちゃ会社と非常に相性が良かったわけです。
で、ジョッシュはその子供の感性を活かして少しずつ会社で頭角を現していくんですね。それを示す象徴的なエピソードがあります。
それは、ジョッシュが副社長に選ばれて他のお偉いさんたちと共に会議に出席していた時のこと。その場では、新商品についての説明がなされていました。それはビルからロボットに変身するおもちゃらしく、会議ではマーケティングが云々といわゆるビジネス用語が飛び交っています。どうやらある程度は売れるという予想が立っているようです。
そんな中、不意にジョッシュが手を挙げてこう発言をするんです。「わかんない」と。そう、中身が子供のジョッシュからしたら、このおもちゃの魅力がわからない、遊びたいと思わないわけですね。
で、代わりに「こうしたらどうだろう?」という子どもならではの発想で、おもちゃをより魅力的なモノに変えてみせるわけです。これには社長も喜びます。こうやって、ジョッシュは社内での地位を少しずつ確立していくのです。
この出来事を、大人目線で観てみると「いつの間にか子供心忘れてないかい?」ってことに気づかされるんですね。
確かに本作の舞台はおもちゃ会社ってことで、子供心を活かせる場として都合がいいとは思います。ただ、そういうのを差し引いても、時に子供ならではの感性と言いますか、そういう遊び心みたいなものが状況を打破したり、新たな展開を生み出すなんてこともあるんじゃないかなと思わせてくれるんですよね。
もちろん、大人っぽい論理的な考え方も大事でしょう。マーケティングとかロジカルシンキングとかって、身に着けておいて損はないものだとも思います。(僕も身につけたい)そういうのが意味ないとは言いません。
ただ、僕らが小さい時に持っていた、子供っぽさとか、もしかしたらちょっとガキっぽい発想とか、純粋に何かを馬鹿みたいに楽しむ姿勢っていうのも決して無駄ではないんじゃないかと。頭でこねくり回したものよりも、大人として学んだ知識よりも子供の感性の素晴らしさ、発想の尊さを、ジョッシュの姿を通じて、この作品では思い出させてくれるわけです。
その一方で、本作は子供目線で観ても大切なことに気づかせてくれたりします。
ジョッシュは大きくなりたいと願い実際に大人になります。そして、最初は子供全開だったのが、大人として会社で仕事をし、大人の恋人と付き合うようになり(美人で羨ましい)だんだんと大人の作法のようなものを身に着けていくわけです。
ぶっちゃけ、地位もお金も恋人もゲットしたジョッシュの姿というのははたから見れば羨ましいもんなんですよね。言ってしまえば成功者です。ただ、身も心もだんだんと大人になっていく中で、ジョッシュはあるものを失いそうになります。それは、親友のビリーです。
ビリーは子供でジョッシュは大人。大人として過ごすジョッシュとは当然考えも合わなくなるわけです。あれほど一緒にいた親友との間に溝ができ、ジョッシュはふと考えるわけですね。
「子供に戻るべきか、それともこのまま大人でいるべきか?」
あなたならどっちを選びますか?子供に戻って、もう一度12歳の少年として家に戻り、またビリーとバカをやる日常を過ごす。それとも、ある程度大人として欲しいものは手に入れた今のままで生きていくか。なかなか難しい選択ですよね。
まぁ、ネタバレと言いますか、もう30年も前の映画なのでいっちゃいますが、ジョッシュは子供に戻ることを決意します。実家でおかあさんに起こされて、眠い目をこすってビリーと共に学校に通った日々を選ぶわけですね。
ここで、気づかされるのは、「子供時代のかけがえのない時間は二度と戻らない」ってことだと思います。
何か病気や事故にでもあわないかぎり、どんなに嫌でも何もしなくてもいずれはみな大人になっていきます。それは当然のことです。でも一方で子供時代はどうでしょうか?いくら戻りたくても二度と戻れない。友達とバカやった日々、だべりながらの登下校、もどかしい恋愛模様、子供目線でのちょっとした冒険などなど。この経験は大人になれば二度とできません。それはいくら地位や名誉やお金があっても買えない貴重なものです。
このように、本作は子供目線で観ても楽しいし大切なことに気づかせてくれる作品だと思うわけです。
子供にも大人にも魅力があることに気づかせてくれる
本作を観ていて、もう一つ良かったなと思ったのは、子供も大人もどっちにも魅力があるよなってことです。
先述したように、子供時代には子供時代の二度とできない、かけがえのない経験をすることができます。一方、大人になれば大きくなったジョッシュが経験したような、仕事を通じた承認や素敵な相手との出会いなど、世界が広がっていくような体験をすることができるわけです。
もちろん、ジョッシュが経験したようないわゆる地位もお金もパートナーも持ってるみたいな、充実した大人になれるかどうかはわかりません。っていうか今のぼくにはかなりハードルが高い(笑)ただ、そうじゃなくても、自分なりに大人を楽しめばいい。大人になったなりの、子供とはまた違うやり方で人生を楽しめればいいんじゃないかと思うわけですね。
この映画を観ながらちょっと、自分の子供時代のことなんかも思い出しちゃいましたね。何というか、いいこともやなこともあったけど、それなりにいい経験したよなとか、ちょっと戻ってやり直したいこともあるよなぁとか色々考えてしまいましたね。まぁ、でも今を生きなきゃならんのでね、おっさんの今を生きていこうと思います♪それにしてももうちょい、魅力のある大人になりたい‥‥‥。
まとめ
そんなわけで、今回はトム・ハンクス主演の『ビッグ』という作品を紹介してみました。
最後のエンディングの場面はちょいと切なくもありますが、個人的にはグッと来たし「ああ、いい場面だな」と思えたのでぜひ観てほしい。
コメディ映画だけど、ストーリーも楽しめて笑える場面もあって最後まで飽きない作品なので、興味がある方はぜひご覧になってみてください!!