いつから彼はこんな扱いを受けるようになってしまったのか・・・。
ドラゴンボールには様々なキャラクターが登場しますが、登場初期とくらべ明らかに扱いがひどくなっている人物がいるのをあなたはご存知でしょうか?えっ?誰かって?そ、そんなこと僕の口からは‥‥‥
「ヤムチャです!!」
ヤムチャの扱いはとにかくヒドイ。今やヤムチャと言ったらお笑いキャラと言っても過言ではない、そんな扱いを受けるようになってしまいました。なぜだ?なぜヤムチャはこうなったのだ?
僕はそのヒントがドラゴンボールで描かれているヤムチャの闘いの歴史の中にあると考え、1巻から順にヤムチャの激闘の歴史を辿っていったのです。結果はもう皆さんもご存知の通り。僕は途中から涙なしでは書けないほどです。はっきり言って・・・。
あまりにもヤムチャがかわいそうだ!!でも、真実は明らかにしていかなければなりません。そこで今回はドラゴンボールの歴史をたどりつついつごろからヤムチャが雑な扱いを受けるようになったのかを笑い涙を流しながら検証していきたいと思います。
きっとあなたも涙なしでは直視できることができないはず。どうぞハンカチを用意してともにヤムチャの歴史をたどりましょう!!
※今回はヤムチャが作中1対1で闘った歴史を振り返っています。
①VS孫悟空(少年時代)
ヤムチャの記念すべき初登場シーンはドラゴンボール第一巻に掲載されています。悟空、ブルマ、ウーロンたちが砂漠で休憩しているところに、突如現れたのがヤムチャでした。この時の紹介は大悪党ヤムチャ・・・。彼は自分の縄張りに入った人から金品などを奪う盗賊のようなことをしていたんですね。そんで、悟空と戦うわけです。
ここでヤムチャはその強さを発揮します。必殺狼牙風風拳を披露し、悟空をバコーンと吹っ飛ばすなど見せ場を作るんですね。この時は女が苦手なヤムチャがブルマを発見し退散してしまうわけですが、結果としては引き分けと言ってもいい内容でした。やるじゃねぇかヤムチャ。
さらにこの後、再びヤムチャと悟空は激突します。またしても狼牙風風拳を繰り出すヤムチャ。ところが悟空は前回の闘いの時と違って、しっかりご飯を食べておりエネルギーは十分。そのため狼牙風風拳はことごとくかわされ、ぎゃくに顔面に飛び蹴りを食らう始末。しかも歯まで折られてしまいます。ここでヤムチャは再び退散。この勝負はヤムチャの負けと言っていいでしょう。
というわけでここまででヤムチャのトータルの戦績は1分1敗。とはいえこの時のヤムチャの印象は決して雑魚キャラ扱いではなく、これからたびたび悟空と戦うことになるライバルの一人なんじゃないかなという感じでした。悪くない、悪くないぞヤムチャ!!
というわけで、次の勝負も見ていきましょう。
②VSチチ(少女時代)
これまた1巻の話。
悟空たちはドラゴンボールを集める過程でフライパン山というところに向かいます。フライパン山にすむのは牛魔王とその娘のチチです。
ヤムチャはドラゴンボールを手に入れるために悟空たちを後ろから追跡していたのですが、その時に恐竜に追われるチチと遭遇するのです。
チチはなんだかんだ言いながら恐竜を倒し、テンパっていたのかヤムチャにも攻撃を仕掛けてきます。ヤムチャはそれをかわしチチの頭をバコンと一発攻撃し気絶させるのでした。ここでヤムチャ初勝利!!戦績は1勝1敗1分となりました。それにしても初勝利が女の子とはね・・・。
③VSジャッキー・チュン
こちらはドラゴンボール第4巻より。ヤムチャは悟空たちと共に第21回天下一武道会に出場。予選を突破し決勝トーナメントに進出します。
そこで当たったのがジャッキー・チュンでした。
ネタバレもくそもないとは思いますがジャッキー・チュンは亀仙人が変装した姿で、当時のヤムチャよりも実力はかなり上。そのためヤムチャがいくら攻撃をしかけてもまったく当てることができず、逆に腕を振った風圧だけで場外まで飛ばされてしまいあっけなく敗北。ヤムチャの完敗でした。
これでヤムチャの戦績は1勝2敗1分け。うーん、まだ雑魚キャラ扱いとは言えないけどこの辺りから徐々に勝てなくなってくる印象があるなぁ。とはいえ、まだ挽回のチャンスはある!!頑張れヤムチャ!!
④VS透明人間のスケさん
9巻ではなぜかドラゴンレーダーに映らない、残り一つのドラゴンボールの場所を教えてもらうために占いババが抱える5人の選手と悟空たちが戦うことになります。ちなみにヤムチャは4巻の天下一武道会以来久々の闘いになります。もっと闘えよ!!ヤムチャ!!
ヤムチャの相手は透明人間のスケさん。その名の通りスケさんは透明のためまったく姿が見えずヤムチャは一方的にやられまくります。
「このままでは負けてしまう・・・。」
ヤムチャが劣勢なのを見たクリリンは悟空に亀仙人とブルマを連れてくるように指示します。ここでクリリンがまさかの奥の手を。それは「ブルマの胸を亀仙人に見せることで、鼻血を噴出させてスケさんの姿をあらわにする」というものでした。この作戦が見事に成功。亀仙人は鼻血を噴出しそれがスケさんにかかり、スケさんの存在がはっきりと見えるようになったのです。
姿が見えればこっちのものと言わんばかりにヤムチャの狼牙風風拳がさく裂。スケさんは降参するのでした。
これでヤムチャの戦績は2勝2敗1分け。周りの助けを借りたギリギリの勝利でしたが勝ちは勝ち。この調子だヤムチャ!!
⑤VSミイラくん
引き続き占いババの宮殿での対戦になります。ここからは場所を移して、下が猛毒の沼で落ちたら死んでしまう悪魔の便所という場所で戦うことになります。
ここでヤムチャの対戦相手として登場したのが、全身を包帯でグルグル巻きにしたミイラくん。ヤムチャ本日2度目の闘いです。
ところがミイラくんはスピード、パワー共にヤムチャを圧倒。(圧倒されるの多いな・・・)
ヤムチャは頼みの綱の狼牙風風拳もかわされ、フルボッコ。首根っこを掴まれて独沼に落とされるかギブアップするかを迫られあっけなくギブアップ。弱い、弱すぎる!!
というわけで、再び負け越しで戦績は2勝3敗1分。ちなみに悟空はこの時ミイラくんをパンチ一発でKOしてますからこの時点で悟空とヤムチャの差は相当開いてるんですよね。都でぬるい日々を過ごしてたからこんなことになるんだ!!もっと修業せんかい!ヤムチャ!!
⑥VS天津飯
10巻では第22回天下一武道会の様子が描かれます。今大会では悟空、クリリン、ヤムチャたち亀仙流の武道家と共にかつて亀仙人と同門であった鶴仙人の弟子である天津飯、チャオズも出場。また前回優勝したジャッキー・チュン(亀仙人)も出場するなど、ハイレベルな大会になったのです。
ヤムチャは順調に予選を勝ち上がり武道会の本選に出場。そこで鶴仙人の弟子である天津飯と激突します。試合前からお互い舌戦を繰り広げる中試合開始。
ヤムチャは亀仙人の下で修業を積んでおり、以前よりも大幅にレベルアップしています。しかし、天津飯も鶴仙人の弟子というだけあって全くひけをとりません。序盤は互角の展開。
ここでヤムチャが動きます。「新狼牙風風拳」なる技で天津飯に襲い掛かるのです。(何が新やねん。)しかし、天津飯はそれをことごとく防ぎ逆にヤムチャにカウンターのパンチを浴びせます。天津飯優勢!!どうする、ヤムチャ!?
ここでなんとヤムチャがかめはめ波を放ちます。しかし、天津飯はなんとそれを跳ね返してしまいます。ジャンプをし必死でかめはめ波をよけるヤムチャ。しかし、よけるのに必死になってしまい天津飯の動きが見えていませんでした。天津飯はジャンプしたヤムチャを追跡し強烈なキックをおみまいします。
蹴りを食らったヤムチャは、武舞台にたたきつけられてしまいます。白目をむいているヤムチャ。おそらく気絶しているのでしょう。ここで勝負ありかと思いきや天津飯の非情な追い打ちが・・・。
天津飯は空中から気絶しているヤムチャの足に膝蹴りをかまします。「ボキ」という鈍い音が会場に響きヤムチャの足が変な方向に曲がってしまいました・・・。ここでヤムチャ無念の敗退。ヤムチャは大体トーナメント一回戦で負けるんだよなぁ。
見せ場は作りましたが、天津飯の方が実力的にはかなり上でしたね。これでヤムチャの戦績は2勝4敗1分け。段々と負けがこんできているような気が・・・。怪我早く治せよヤムチャ!!
⑦VSシェン
15巻では第23回天下一武道会の様子が描かれています。
お馴染み亀仙流の面々や天津飯、チャオズ、またかつて悟空が倒した桃白白がサイボーグ化した状態で出場していたり、ピッコロ大魔王の生まれ変わりであるマジュニアが出場していたりとこれまたハイレベルな大会となりました。
ヤムチャはここでも順調に予選を突破。決勝トーナメント1回戦ではシェン選手と激突します。シェン選手はどーみても見た目は普通のおじさんでお世辞にも強そうには見えません。
予選もまぐれで勝ったと思われており、今回ばかりはヤムチャもついに念願の1回戦突破か!?と期待されるところです。
ところが試合が開始されると予想外の展開が。シェンはまるで格闘技など知らないような動きをするのですが、偶然ヤムチャに攻撃を当てたりヤムチャの蹴りをかわしたりするんですね。しかも蹴りをよけた時にたまたまシェンの頭がヤムチャの股間にヒットなんていう観客爆笑の試合に。
しかしまぐれもこれまで。ここからヤムチャの反撃が始まるのだろうと誰もが思いはじめたころシェンはこんな事を言うのです。
どちらにしても この試合は わたしが 勝つんでしょうが
こんな勝ちかたではうれしくないですからな!
引用元:ドラゴンボール (巻15) (ジャンプ・コミックス)p86
シェンからまさかの自信満々な発言が飛び出しました。これにはヤムチャもカッチーンです。いやいや、そんなら俺もその気になって闘いましょうか?となり改めて戦闘態勢に。次の瞬間、これまた驚きの展開が!!
シェンは素早い動きでヤムチャに肘鉄を食らわせたのです!!まともに食らい後ろに飛ばされるヤムチャ。今度はまぐれではありません。これには観客も試合を見ていた悟空やクリリンもそして何より戦っているヤムチャ自身も驚かされました。
これで目が覚めたヤムチャ。少なからずシェンを舐めていたことを反省し猛攻を仕掛けます。しかし、まったく攻撃を当てることができずまるで歯がたちません。誰がこんな展開を予想したでしょうか?
まぁ、これはネタバレになりますが実はシェンは神様が人間の身体に乗り移った姿だったのです。神様は自分の分身であるマジュニアを封印するため、天下一武道会に出場していたのでした。
当時のヤムチャとシェンとの実力差は明白。まともにやっては勝ち目がありませんでした。ところがヤムチャは諦めません。手に気を集中させ新たな必殺技を放つのです。
「繰気弾!!」
丸い気の塊がシェンに襲い掛かります。どうやら手の動きで方向を制御できる技のようです。なんとか繰気弾を紙一重でかわしたシェンは、ヤムチャのことを褒めたたえますが、ヤムチャはそんなシェンに対してこう返すのです。
ふふふ・・・
ほめるのがちょっとばかりはやいんじゃないか?
せいっ!!!
引用元:ドラゴンボール (巻15) (ジャンプ・コミックス)p101
なんとシェンがかわした気の塊が地面から飛び出してきて、顔にクリーンヒット!!後ろに吹き飛ばされるシェン。これはヤムチャの一発大逆転か!?ついに念願の2回戦進出なのか?誰もがそう期待する中またまた予想外の展開が。
後ろに吹き飛ばされたシェンは地面に着地するとともに、素早く前方へ飛び出しヤムチャにひじてつを食らわせたのです。そのままゆっくりと後退し場外に落ちたヤムチャ。残念ながらここで敗退。またしても1回戦突破はなりませんでした(^^;
これでヤムチャの戦績は2勝5敗1分です。 せっかく新たな必殺技を身につけたのにそれも報われず。ヤムチャの心が折れないかが心配です(>_<)負けるなヤムチャ!!
⑧VSサイバイマン
数あるヤムチャの闘いの中で、やはりこのサイバイマンとの闘いは伝説と言ってもいいでしょう。
18巻ではナッパとベジータたちサイヤ人が地球に来襲します。迎え撃つはピッコロ、悟飯、クリリン、天津飯、チャオズ、ヤムチャたちです。
サイヤ人は彼らの実力を測るためにサイバイマンという生き物と闘わせます。
サイバイマンも6匹、地球側の戦士たちも6人ということで1対1で戦うことに。初戦は天津飯がサイバイマンを圧倒し勝利しました。そして2番手に名乗りを上げたのはヤムチャです。
オレにやらせてくれ
ここらでおあそびはいいかげにんしろってことを
みせてやりたい
引用元:ドラゴンボール (巻18) (ジャンプ・コミックス)p151
くぅー、カッコいいセリフを言うじゃありませんか。ヤムチャは自信満々ですね。こりゃこれまでの汚名返上してくれそうな予感。
そしてヤムチャとサイバイマンの闘いが始まります。序盤は打撃戦でお互い譲りませんでしたが、ややヤムチャが優勢といったところ。サイバイマンはいったん打撃戦を避け空中へ退避します。
サイバイマンを追いかけるヤムチャ。ヤムチャに対して抱きつこうとするサイバイマン。ヤムチャはサイバイマンをかわしかめはめ波をおみまいします。まともにかめはめ波を食らったサイバイマンは地面に叩きつけられるのでした。
またしても地球側の勝利!!ヤムチャはサイバイマンのすぐそばで勝利を確信し、残り4匹も自分がかたづけると豪語するのでした。ところが・・・
そんなヤムチャに倒したはずのサイバイマンが抱きつきます。そしてニヤッと笑ったかと思うとなんとそのままヤムチャもろとも自爆をしたのです。
粉々になったサイバイマンと、その場に横たわるヤムチャ。急いでクリリンが駆け付けるもヤムチャはすでに絶命していたのでした。
今回ばかりは絶対に勝ったと思ったのに、まさかの自爆で相打ちとはトコトンツキがない男ですね。今回は両者死亡なので戦績は2勝5敗2分となりました。きちんととどめをさせよヤムチャ!!
⑨VS人造人間20号
これをはたして闘いと言っていいのかどうか迷いましたが、一応入れときます・・・。
29巻では悟空たちの前に新たな敵である人造人間が姿を現します。
彼らからは気を感じ取ることができないので、直接見つけるしかありません。悟空、ピッコロ、クリリン、天津飯、ヤムチャは彼らが降り立ったとみられる街に入り探し回るのでした。
そんな中、人造人間と最初に遭遇したのが我らがヤムチャでした。ヤムチャは悟空たちを呼ぼうとしたのですが、その瞬間20号に口をふさがれなんとてで体を貫かれてしまうのです。死にかけるヤムチャ。なんとか仙豆で復活するのですが、その後のセリフはものすごく弱腰です。
お・・・
おまえらみんなわかってねえんだ・・・
人造人間の恐ろしさを‥‥‥
ちきしょう!!!
オレはやらねえぞ!!!
見物だけだからな!!!
引用元:ドラゴンボール (巻29) (ジャンプ・コミックス)p38
まさかの見物だけ宣言です‥‥‥。もはや闘うことすら放棄してしまっている。まぁ、あれだけなんもできずにやられてしまえば戦意を喪失してしまうのも無理はないのかもしれませんね。これで戦績は2勝6敗2分となりました。生きててよかったなヤムチャ!!
⑩VSセルジュニア
34巻では人造人間セルがひらいたセルゲームに地球の命運をかけ悟空たちが参加します。
悟空はセルに降参し、息子である悟飯がセルと対戦。セルは悟飯の隠された力に興味があり、それを引き出すために悟飯を怒らせることを考えるのです。
その方法は「仲間たちを痛めつけること」
セルはそのために自分の子供であるセルジュニアを生み出し、悟空たちを痛めつけるよう命令を下します。
セルジュニアの実力は想像以上で、スーパーサイヤ人を超えた強さを持つベジータやトランクスでもやっと互角の闘いです。当然ですがヤムチャはかなうはずがありません。
ぶん殴られしまいには腕までへし折られ「ぎゃぁぁぁ」と叫び声をあげる始末。ヤムチャはなすすべもなくやられてしまうのでした。
これで戦績は2勝7敗2分。トータルでは完全なる負け越しですね。まぁ、ぶっちゃけセルゲームは見学希望者だったのに、無理やり戦わされた感じだったのでかわいそうではありました。死ななくてよかったなヤムチャ!!
まとめ
今回はヤムチャの敗北の歴史をたどるとともに彼がいつごろから雑に扱われるようになったのかを振り返ってみました。
最初は良かったんですよね。割と強いキャラとして描かれていたような気がします。分岐点はやっぱり天下一武道会のジャッキー・チュン戦あたりかなぁ。あの頃から強敵にぶつけられてあっけなくやられるキャラっていう感じになったのかなぁ。
ちなみにアニメではギニュー特戦隊のリクームを倒してますし、そもそも天下一武道会では予選を突破しているわけですから、綿密にいうと生涯成績は勝ち越しているというのは考慮するべきでしょう。決して雑魚キャラでもないし、負けっぱなしでもないのです。
ただ途中から相手が明らかに自分より強いっていうパターンが多くて、一方的にやられちゃうっていうのが目立つんですよね。ある意味では「敵キャラの強さを印象付ける」という当て馬のような役割を与えられた損な役回りだったのかもしれません。
まぁ、こんな感じで長々と書いてきましたがヤムチャの歴史を振り返るのは根気のいる作業ではありましたがとても楽しかったです。また別のキャラにフォーカスした内容のブログも書いてみたいなと思っています。
それではまた!!