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俺はまだ本気出してないだけを読んで。シズオと宮田のやりとりから、みじめでもいいから生きようと思った。

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今回は『俺はまだ本気出してないだけ』の5巻を読んだ思ったことを書いていきます。

 

 

 

自殺をしようとするシズオの親友宮田

5巻の展開はなかなか衝撃的。

 

このマンガの主人公大黒シズオには子供のころからの親友宮田という男がいます。宮田はもともと会社員だったのですが、離婚した妻との間にいる息子の正男がパンが好きだったということからパン屋を開業。自分が息子に作ったパンを上げるのを楽しみにしていたのです。

 

しかしそんな宮田に元妻から再婚するとの報告をされるのです。しかも、その相手はアメリカン人。再婚相手の仕事の都合で元妻と正男はアメリカに移住することに。さらにここで妻から残酷な宣告が。それは

 

「正男のことを忘れてほしい」

 

というものでした。元妻いわく父親が二人いるのは不自然だし子供の心が混乱してしまう。だから宮田にはもう養育費を振り込まなくてもいい、妻はそういうのです。それを表向きは了承する宮田。しかし、彼の心にはぽっかりと穴が開いてしまったのです。

 

それからしばらくして、宮田のパン屋で働く市野沢が店を訪れるとそこに宮田の姿はなく、市野沢と親友のシズオに宛てた手紙が残されていたのです。それは遺書でした。

 

それまでは離婚したとはいえ正男が時々彼を訪ねてきていたため宮田は父親として存在できていたのに、妻の提案により父親という役割がなくなってしまった。

 

「自分には何もない」

 

そう思い込んでしまった宮田は、住んでいたアパートを引き払い携帯電話も解約し音信不通に。そして自らの手で人生を終わらせるためにシズオたちのいる町を離れるのです。

 

なすすべのないシズオと市野沢は、宮田が唯一帰る場所であるパン屋を続けることを決意。シズオは親友宮田のためマンガを描き、バイトもしながらパン屋も手伝うという日々を送ります。

 

それからしばらくして宮田は店に帰ってきました。自殺をしようとしたけど怖くて死ねかった。そして宮田はシズオと市野沢にこうつぶやくのです。

 

俺ってみじめだよな・・・

引用元:俺はまだ本気出してないだけ 5 (IKKI COMIX)p86

 

 冷静さを装うシズオ。しかし、次のセリフと共に涙があふれ出てきます。

 

死ぬとかっ・・・

言っ・・・

引用元:俺はまだ本気出してないだけ 5 (IKKI COMIX)p88

 

 それを見て宮田も号泣。とにもかくにもシズオは親友である宮田を失わずに済んだのでした。

 

みじめでもいい、生きよう。

今回のこの宮田の話を読んであなたはどう感じたでしょうか?

 

確かに別れた妻の元にいる息子が好きだからという理由でパン屋を始め、しかしその息子はアメリカに行ってしまう。さらに自殺を図ったけど怖くて死ねなかった宮田。そんな彼をみじめだと感じる方がいてもおかしくはありません。でも僕はこのマンガを読みながらこう思いました。

 

「生きててよかったよ宮田!!みじめでもいいじゃん。」

 

宮田が生きていてシズオが泣いたとき僕も号泣とまではいかなかったけど泣いてしまいました(笑)それだけ共感できる何かがあったのでしょう。

 

確かに宮田はみじめなのかもしれません。でも死なない選択をした宮田の姿を見て、マンガなのですが「本当に良かった。」と思ったんです。そしてそれは宮田を待っていたシズオも市野沢も同じはず。

 

みじめだろうがなんだろうが待っていてくれる人がいて、大切に思ってくれる人がいる。それは凄く少数なのかもしれないけどそれだけでいいじゃないか。

 

だから仮に自分がみじめになっても死なない。というか生還を果たした宮田の姿はぜんぜんみじめじゃなかった。彼自身は怖くて死ねなかったといいますが、きっと無意識のうちに「生きる事」を決意したのだと思います。

 

自分の弱さ情けなさ悔しさ悲しさそれらを全部ひっくるめて受け止めてもう一度生きようと思った。そんな宮田のことを僕はカッコいいと思うし、僕自身も絶望の淵に立たされた時、宮田のように生きることを選択しようと思いました。

 

「たとえ他人からなんと思われようとも、みじめでもいいから生きよう。」

 

それではまた!!